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臨床研究
急性虫垂炎のX線診断—144例の検討
著者: 多田信平1 新谷陽一郎1 木野雅夫1 南条光夫1 原田潤太1 兼平千裕1 関谷透1 久保田進1 高山誠1 阿武泉1 黒田敏道1 河井啓三2 中村紀夫3 山口金吾4
所属機関: 1東京慈恵会医科大学放射線科 2東京慈恵会医科大学第1外科 3東京慈恵会医科大学第2外科 4国立東静病院放射線科
ページ範囲:P.385 - P.389
文献購入ページに移動急性腹症の原因には各種炎症,臓器の破裂および閉塞,血行障害などがあるが,そのうち炎症,特に急性虫垂炎の占める位置は大きく,綿貫18)によると急性虫垂炎は救急外来を訪れる腹部急性疾患の過半数を占めるという.
急性虫垂炎のX線診断については種々の所見が記載され,多くの報告がなされている.もとより急性腹症においては緊急手術の必要の有無を決定する外科医の豊富な経験が要求されるわけであるが8),それにはX線診断領域からの寄与も必要と思われる.一般には急性虫垂炎においては,その所見の非特異性,臨床診断の容易さもあつて,腹部単純撮影は軽視されがちである.今回144例の急性虫垂炎症例のX線検査をreviewする機会を得たので,各所見の出現率と特異性を考慮した有所見率を分析し考察を加えた.
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