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文献詳細

雑誌文献

臨床外科32巻4号

1977年04月発行

文献概要

特集 ヘルニア再検討

成人鼠径ヘルニアに対する術式とその選択

著者: 牧野永城1 佐藤光史1 木村光博1 伊藤正幸1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.441 - P.448

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はじめに
 従来鼠径ヘルニアの術式として挙げられてきたものは実に数多い.鼠径ヘルニア手術に近代化の扉を開いたBassini(1890)以降だけでも新しい術式として発表されたものは枚挙にいとまがない.しかしそのうちには1つの術式に多少の修飾を加えたものにすぎぬものも多く,そしてそれぞれの術式に発表者の名をつけて,Marcy,Michel-Bankes,Czerny,Lucas-Championiére,Ferguson,Halsted,Kocher,LaRoque,Stetten,Andrews,Gallié,Hackenbruch,Potts,Zimmerman,McVay,波多腰,木本法などと呼ばれてきた.外科医にとつてはその1つ1つを憶えるのも大変であるし,その各種術式のどれを選択してよいのかもわからず,とかく混乱の原因となつてきたといつてよいだろう.
 実際,外科医がこれら術式のすべてを記憶したり,その手技を会得する必要は毛頭ない.われわれの所では,外科レジデントの卒後研修として,もつぱら手術治療の原理の理解を基本にして,各症例についてその原理に応じた手術法の選択を行なわせ,そのために代表的な術式をせいぜい数種習得させることにしている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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