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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科32巻6号

1977年06月発行

雑誌目次

特集 今日の胆道造影

術前胆道造影—DICの効用と限界

著者: 南部勝司 ,   浪久利彦 ,   今哲二

ページ範囲:P.681 - P.686

はじめに
 最近の臨床検査には,2つの行き方があるように思う.1つは,予め定められたいくつかの検査を,患者の症状に応じて行なう方法であり,他の1つは,1つ1つの検査の結果から判断して,次に行なう検査を選択してゆく方法である.前者では,医師は,どのセットを選ぶかだけを判断すればよく,医師の能力の差によつて,結果が大きく変わることはないし,データを整理する際にも,一定の基準で雲とめられるという有利さがあるが,診断学本来の考え方には添わない.これに対して,後者は非能率的で,現代のコンピュター時代には適さないし,医師の能力によつても大きく左右されるが,診断学本来の考え方は生かされている.今,ここで,このどららの行き方が良い悪いを論じるつもりはない.しかし,あまりにも技術中心になりがちな最近の傾向に対して,もう少し,1つ1つの検査の意義を考え,結果を十分に判読しうる能力を養つて,余計な検査はできるだけ省き,診断学本来の姿に立戻ろうという行き方があつてもよいのではないかと思う.
 このような立場に立つて,DICの効用と限界について,われわれの考えを述べる.

術前胆道造影—ERCPの実技から読影まで

著者: 春日井達造

ページ範囲:P.687 - P.696

はじめに
 1968年米国においてMcCuneら1)が始めて内視鏡的逆行性胆道・膵管造影(ERCP)の成功を発表して以来,翌1969年以降わが国において,十二指腸ファイバースコープの開発とともに本法の開発,改良がきそつて行なわれ,ついに臨床診断法の1つとしてとり入れられるにいたつた2-6)
 現在は世界各国に普及し広く行なわれるようになり,膵・胆道疾患診断における有力な検査法の1つとなつた7,8)

術前胆道造影—PTCの適応からPTCDの実施まで

著者: 高田忠敬 ,   内田泰彦

ページ範囲:P.697 - P.704

はじめに
 経皮的胆管造影法(PTC)は,X線テレビの導入,細い穿刺針の使用,肝内胆管穿刺術式の確立などにより安全性のみならず穿刺率も向上し,適応も閉塞性黄疸はもとより胆管拡張の軽度な例にまで及び,それに伴う胆道系疾患の診断能の向上には著しいものがある。しかしながら,胆管拡張の著しい高度閉塞性黄疸例では,PTC後にその穿刺孔から胆汁漏出の危険が皆無とは言えず,また腹水のあるもの,さらに胆道感染症に対しては,PTCがcontraindicationとされるなど,適応におのずから限界があつた.
 近年PTCにひきつづいてその手技を応用した経皮的胆管ドレナージ(PTCD)が確立され,いままで問題とされていたような症例に対しても確実に,しかも非開腹的に胆道減圧がなされるようになり,PTCの適応も従来になく拡がつてきている.PTC並びにPTCDの適応の拡大に伴い新たな偶発症も問題となり,術前後の管理のみならず,術中においても細心の注意と対策が必要となつている.

術前胆道造影—Combined methodの実際と効用

著者: 佐藤寿雄 ,   高木靖

ページ範囲:P.705 - P.711

はじめに
 胆道系および膵頭領域癌の診断法としては通常の胃・十二指腸X線検査法,下降性胆道撮影法のほか,経皮的経肝性胆道造影法,逆行性膵管・胆管撮影法,選択的腹腔動脈撮影法,経脾的門脈撮影法,低緊張性十二指腸撮影法などがある.これらの検査法にはそれぞれ長所,短所があり,1つの検査法ですべての所見が把握できるものではない.従つてこれらの検査法によつてもたらされた情報を総合的に判定する必要がある.そこで2つあるいはそれ以上の検査法を同時に行なつて同一フィルム上においてそれぞれの所見の相互関係から,より的確な情報を把握しようとする試みがある.経皮的胆道造影法と動脈撮影法の併用1),経皮的胆道造影法と低緊張性十二指腸撮影法の併用2),胆道空気造影法と動脈撮影法の併用3)などである.著者らも経皮的胆道造影法と経脾的門脈撮影法を同時に行ない,胆道系,膵頭部領域の癌腫の切除可能性の判定に用いていることを報告してきた4)5)
 今回は,まず教室で行なつている経皮的胆道造影法および経脾的門脈撮影法について触れたのち,胆道・門脈同時撮影法Cholangioportographyにつき,その後の症例も含めて検討を加えてみたい.

術中胆管造影の実施から読影まで—私はこうしている

著者: 西方不二彦 ,   中山文夫

ページ範囲:P.713 - P.717

はじめに
 術中胆管造影法は1931年Mirrizi1)が直接胆管造影法を術中に行ないその有用性を提唱して以来,極めて優れた手技として広く実施されている.しかし近年内視鏡的逆行性胆管造影法や経皮経肝胆管造影法の普及をみたが術中胆管造影法は最も確実,容易,安全な直接造影法であり,教室では1948年以来一貫して肝・胆道・膵疾患の手術にrou—tineに施行している.本法施行の目的は胆管内結石の存在を正確に診断し遺残結石を予防し,胆管系の奇型または周囲臓器との位置的関係を的確に把握し,術中の胆管損傷を予防し,さらに総胆管末端部の機能的・器質的病変を検索し,適切な術式を選択することにより胆道系手術をより安全に行ない,術後成績を向上させることである.今回は胆石症の手術の際教室で行なつている術中胆管造影の手技を具体的に紹介し,読影上の注意点について述べる.

術中胆道造影の実施から読影まで—私はこうしている

著者: 相馬智

ページ範囲:P.719 - P.727

はじめに
 術中胆道造影に最初に成功したのは,CordobaのMirizzi (1931)1)である.彼は同年91例の経験をもとに"cholangiography during operation"という論文を発表した.1948年には15年間の経験を基礎として胆道の病態生理について詳細な発表を行なつている.Mirrizziの発表以来世界各国,殊に北欧でひろく行なわれるようになり,次いでフランス,アメリカで盛んに行なわれるようになつた.就中アメリカのHickenら2,3)やWallの報告は最も症例数の多い報告といえる.その他の国でもその必要性を認めかなり広く行なわれるようになり,1958年Steiner4)によれば近代胆道外科は,術中胆道造影なしには考えられないという程になつた.南ア連邦のSchulenburg5)は本法の採用により,それまでの諸家の遺残結石率2〜24%2,6)を1.3%まで低下せしめえたと報告し,本法の全盛時代をむかえたように見えたが,Mi—rizzi以来40年を経た今日でも,その重要性を認めながらも広くroutineに行なわれているとはいい難い.その理由は,1956年Archives of Sur—geryに掲載されたAllenとSachsの2つの論文に代表されるといえる.Sachs7)は,術後の胆道造影の価値については誰もが異論がない.術中胆道造影はそれと同等の価値をもつている.したがつて術中胆道造影の価値はいうまでもなく重要であるとのべた.しかしAllen8)は,術中胆道造影は極めてわずらわしいものであり,胆道結石の診断や治療には,極めて価値の少ないものであるとのべている.この2つの意見は両極端といえるが,Pyrtek9)らは,その中間をとり,術中胆道造影は全例に施行する必要はなく,ある限られた症例に応用すれば極めて有用であるとしている.しかしSchulenburg5)はこれに対して反論し全例に行なうべきであると主張している.要は外科医の熱意の問題であり,これになれれば差程わずらわしくなく,手術時間の延長はないとしている. いずれにせよ,本法が不必要だと主張するグループ9,13)の根拠は,時間のロス,わずらわしさ,false negative, false positiveの得られる危険性があるということであり,必要がある時にのみ行なえばよいという.一方それでは必要のある時とは如何なる状態を指すかという反論は当然のことながらおきてくる.したがつて無差別に例外なく行なうことこそ意味があると反論5)する.また本法は結石の有無についてのみではなく.奇型,総胆管の狭窄,あるいは悪性腫瘍の発見についても有用であり,postcholecystectomy例においては,結石の有無ならずOddiの狭窄や,残存胆嚢管の様子まで知りうるので極めて有用であると主張する10,11)

術中・術後胆道造影—T字管挿入から抜去まで

著者: 宮崎逸夫 ,   永川宅和 ,   小森和俊

ページ範囲:P.729 - P.735

はじめに
 胆石症に対する手術成績は,最近著しく向上したが,今日なお10〜20%1)に術後の不満足例があり,胆摘後症候群や胆道手術後症候群などと総称されているが2,3),それらの中で再手術症例の報告もかなり多くみられる4-9)
 著者らの教室でも,1960年より1976年12月までの17年間に693例の胆石症手術を経験しているが,うち胆石症手術に起因する再手術は60症例,67回に及ぶ,(ただし,初回手術が他院例も含む.)

editorial

胆道造影法の進歩

著者: 亀田治男

ページ範囲:P.678 - P.679

確実な診断根拠として
 胆道疾患の診断に,問診や身体所見・一般検査所見の確実な把握が重要であることはいうまでもない.しかし,現在胆道疾患の検査として,臨床的にもつとも広く応用されており,また確実な診断根拠を与えてくれるのは胆道造影法である.
 胆道造影法はすでに53年の長い歴史をもつている.しかし経口法・静脈注射法などの排泄性胆嚢造影法は,胆管病変の造影に限界があり,また黄疸例の診断に有用ではないという大きな欠点を背負つてきた.最近,PTC(経皮経肝胆道造影法),ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影法)などの術式が確立され,普及しつつあるが,これらによつて,閉塞性黄疸例の原因や胆管病変を確実かつ早急に診断して,手術適応を決定し,外科手術に踏み切ることが可能となつた.これは,胆道造影法,さらに胆道疾患の臨床にとつて画期的進歩である.

カラーグラフ 消化管内視鏡シリーズ・23

大腸の炎症性病変—その2

著者: 武藤徹一郎 ,   上谷潤二郎 ,   山城守也 ,   日野恭徳

ページ範囲:P.674 - P.675

 今回は潰瘍性大腸炎,Crohn病以外のさまざまな大腸の炎症性病変の内視鏡像をお目にかける.この中のいくつかは以前は潰瘍性大腸炎と混同されており.比較的最近になつて分類されたものである.細かい所見よりも粘膜像の全体のパターンの認識が大切であり,このような病変があることを知つていれば,鑑別診断はそれほど困難ではない.ただし,それぞれの炎症性病変の最もひどい時期と治癒に向つた時期とては内視鏡像が著しく異なることがあることも知つておかねばならない,潰瘍性大腸炎と対比してその異同を理解されたい.

ニュース

第77回日本外科学会総会

ページ範囲:P.696 - P.696

 日比谷公会堂2000余の椅子が完全に埋め尽くされた「映画による定型的手術手技」,わが国外科領域のエキスパートが参集したシネシンポジウムなどVisualな好企画が目立つた今年の外科学会は,連日,各会場に真摯な聴衆を集め盛況裡にその幕を閉じた.臨床面ではこれからのテーマとも言うべき,パネルディスカツション"外科における臓器相関"には基礎,臨床のパネリストが鮮やかに融合,意義ぶかい嚆矢を放つたのを始め,外科学会がもつ今日的テーマをもれなく拾いあげたシンポジウムでもフロアーとの応酬が活発に行なわれた.なお次回第78回総会は明年4月3-5日(予定),会長 九大教授 井口 潔氏のもと福岡市で開かれる.

クリニカル・カンファレンス

術中胆道造影—その撮り方・読み方

著者: 大原啓介 ,   春山茂雄 ,   永川宅和 ,   高田忠敬 ,   相馬智

ページ範囲:P.736 - P.756

 相馬(司会)本日はお忙しいところを,また遠くからもお集まりいただきましてありがとうございます.
 本日は「術中胆道造影」というテーマで,その撮り方,読み方という問題を取り上げてみたいと思います.皆さま第一線で活躍していらっしやる油の乗りきつた方方ばかりでございますので,忌憚のないご意見を述べていただき,また,症例を混じえていろいろディスカッションしていただきたいと思います.

トピックス

胆道鏡の進歩

著者: 新井健之

ページ範囲:P.757 - P.759

はじめに
 胆道系疾患の手術に際し,術中胆道内精査法として胆道造影の普及はめざましく,胆管結石の診断率は著しく向上した.しかし,胆道内微細病変や小結石に対して確実な診断法とは言い難く,この欠点を補い直視下に病変を観察し,生検や更に治療法として結石除去の可能な胆道内視鏡が普及しつつある.
 私は1968年5月よりAmerican Cystoscope MakersInc.(以下ACMIと略す)製胆道ファイバースコープを用い,更に1971年より国産胆道ファイバースコープの開発に努力し,一応完成したと考え,今日までの胆道鏡の歴史を振り返ると共に今後に残された問題にっき述べたいと思う.なお,私は足利赤十字病院在職中に約60例,川崎市立川崎病院において現在までに延べ153例の胆道内視を経験した.

Practical Postgraduate Seminar・3

術後の諸問題

著者: 桜井健司

ページ範囲:P.762 - P.768

主な内容
 Ⅰ.手術創に関する問題
 Ⅱ.術後の発熱
 Ⅲ.術後の消化管機能と
そのcare
 Ⅳ.合併症は予防できる か
 Ⅴ.術後の検査はどの程度必要か

外科医の工夫

胆道ファイバースコープを用いた胆石症の診断と治療

著者: 山川達郎

ページ範囲:P.771 - P.775

 胆道内に結石が存在する場合,それが実はX線学的には証明されなかった肝内結石症の結石の一部が胆道内に落下したものであつたり,また肝内結石症と考えられたものが,ただ単に肝内胆管に結石が移動したものであつたりすることは,よく日常遭遇するところであるが,胆道結石と肝内結石症の治療法は,元来根本的に異なるものであるので,手術術式の選択に際しどうしても的確な鑑別診断の必要性にせまられる.すなわち確実な診断は,的確な治療法の選択を可能にし,強いてはその予後を改善することにもなるのであるが,従来の検索方法のみでは,両者の鑑別は必ずしも容易ではないようである。著者は術後胆管内視鏡検査法とそれによる非観血的截石法により,遺残結石・肝内結石の治療に良好な成績を報告1-3)してきたが,この内視鏡的検索をfullに活用し本症に対する治療成績がいくらかでもよくなるように努力し工夫してきた実態とその成績をここに紹介し諸家の御批判を仰ぐものである.
 まず著者の開発した胆道ファイバースコープ3,4)(図1)を紹介しよう.全長63cmのこの胆道ファイバースコープは,先端28cmのみが軟性で,その先端約2cmの部で上下90°の屈曲性を有し,中に2.6mmの截石用カテーテル等を挿入するためのチャンネルが装着されている.術中胆管内視鏡検査を行なうためには,軟性部は10cmもあれば十分であるのであるが,後述する術後胆管内視鏡検査を行なうようになり.これを28cmとした.これは計らずも米国で遺残結石の非観血的摘出法に繁用されているDr.Burhenne5,6)のsteerable catheterの有効長とほぼ同じであるので,日本人はもちろん,欧米人にもT-tube抜去後の瘻孔を介して行なう術後胆管内視鏡検査施行上十分な長さと考えている.これ以上軟性部を長くすることは,内視鏡の生命である追従性,操作性,解像力と低下させてしまうであろうことは言をまたない.本機は術中術後の胆道のみの検索を目的に製作されたものである.鉗子類(図2)ではバスケット鉗子,逆噴射式洗浄用カテーテルやバルーン・カテーテルが繁用されるが,その他数種の砕石用鉗子7)など結石採取に最も適した鉗子類の製作が工夫され行なわれつつある.

手術手技

食道再建時の頸部での食道胃端側吻合および胃瘻造設

著者: 猪口嘉三

ページ範囲:P.777 - P.779

はじめに
 食道癌根治手術後の合併症としてしばしば見られるものは肺合併症であるが,吻合部の縫合不全も決して低率ではない.特に胸壁前コースでの食道再建は,たとえ縫合不全を招いても皮下膿瘍にとどまり安全であるとはいえ,その発生頻度は高い.私どもは頸部で食道胃吻合を端側に行ない,形成胃管の盲端を頸部胃瘻とすることにより,縫合不全を激減しえた.また,ここよりtubefeedingが行なえるので,経鼻腔経管栄養の必要がない.高齢者に多い食道癌術後肺合併症の予防に役立つばかりでなく,患者の苦痛を除くことができる.本法について紹介すると共に若干の考察を加えてみたい.

臨床研究

経T-tube的胆道遺残結石摘出術

著者: 内本泉 ,   深井泰俊 ,   豊田哲郎 ,   堀田敦夫 ,   菊川政男 ,   白鳥常男

ページ範囲:P.781 - P.785

はじめに
 最近胆道造影法の進歩に伴い,胆道遺残結石は減少傾向をたどつてはいるもののいまだに胆石術後後遺症としての重要な位置を占めている1).遺残結石の原因を考える場合には,2つの面から検討を加える必要がある.1つは胆石の存在を見逃がした場合であり,他は胆石は発見したが,術中全身状態が悪化したため除去できなかつた場合である.遺残結石が発見された場合,再手術は患者に与える精神的負担も大きく,かつ再手術という点で術者にとつても困難な症例に遭遇する場合がある2).そこで非観血的に遺残結石を除去しようとする試みが種々考案されている.最近著者らは2例に遺残結石を発見し,経T-tube的に摘出し得たので文献的考察をも加えて報告する.

吻合部潰瘍の経験—病態生理からみた手術方針

著者: 京明雄 ,   岡本英三 ,   菅原一郎 ,   桑田圭司 ,   豊坂昭弘 ,   大室儁 ,   鈴木栄太郎

ページ範囲:P.787 - P.792

はじめに
 消化性潰瘍に対する外科的治療法としてはわが国では従来広範囲胃切除術が最も普遍的に用いられ,その優秀性については今日広く評価されている.しかし,その反面,吻合部潰瘍の発生が0.1〜2.0%において認められ1),しかもその成因ならびに病態生理については不明な点が多い.また,その外科治療は再手術となるので,手術適応や手術々式の選択などに苦慮する場合が多い2)
 そこで,われわれは最近経験した7例の胃切除後吻合部潰瘍症例に対して各種胃液検査を施行し,吻合部潰瘍における胃内外分泌動態を検索し,若干の知見を得たので報告する.

臨床報告

結腸憩室穿孔の2例

著者: 三好康夫 ,   大塚康吉 ,   坂口勲 ,   加地信彦 ,   安永英孝 ,   伊藤民雄

ページ範囲:P.793 - P.796

はじめに
 近年,注腸透視が一般に行なわれるようになるにつれ大腸の憩室性疾患の報告例が増えてきた.大腸の憩室性疾患には他の疾患で検査するうちに偶然発見されるようなものがある一方,穿孔性腹膜炎などの重篤な合併症を呈してはじめて発見されるものもある.われわれは最近2年間に本邦では未だ少ないと考えられる結腸憩室穿孔の2例を経験したので,若干の考察を加えて報告する.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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