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文献詳細

雑誌文献

臨床外科32巻7号

1977年07月発行

文献概要

特集 甲状腺機能亢進症—外科医の役割

甲状腺機能亢進症治療法の選択と規準—131I療法の適応と禁忌

著者: 松井謙吾1 飯尾正宏1

所属機関: 1東京都養育院付属病院核医学放射線部

ページ範囲:P.827 - P.833

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はじめに
 正常の甲状腺は放射線に対して感受性が低いが,甲状腺機能亢進症における甲状腺組織は上波細胞の増殖とリンパ球の浸潤が見られ,これらが放射線感受性の高いことから1900年頃よりX線による照射治療が,そして間もなくラジウムによる治療も行なわれるようになり現在に至つた.また最近ではベータートロンやライナックによる電子線治療も行なわれている.
 一方1937年Fermiが放射性ヨードを発見し,1941年にはHanilton, Lawronceらによつてサイクロトロンによる131Iの臨床応用がなされ,戦後間もなく原子炉により大量製造供給されるようになつた131Iによる甲状腺機能亢進症の治療は急速に普及し,その組織親和性を利用した131Iから放出されるβ線の組織内照射と言う理想的な治療法として本疾患の治療に不可欠のものとなつたのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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