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文献詳細

雑誌文献

臨床外科32巻7号

1977年07月発行

文献概要

特集 甲状腺機能亢進症—外科医の役割

甲状腺機能亢進症術後後遺症

著者: 藤本吉秀1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系外科

ページ範囲:P.849 - P.853

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はじめに
 そもそもバセドウ病患者に手術を行なつて術後後遺症が起こるようなことがあつてはいけない.バセドウ病に対する治療法は手術以外にもあるわけであるから,極端ないい方をすれば,術後後遺症が起こるくらいなら手術をしないで他の治療法を選べばよかつたとも言えるわけである.しかし抗甲状腺剤投与で難治のものが全バセドウ病患者の50%前後はあること,放射性ヨード療法にしても術後の甲状腺機能低下症発現の問題があり,手術療法の利点があらためてみなおされてきた今日の情勢にかんがみ,われわれ外科医は何とか術後後遺症を起こさないように手術を行なうコツを習得しなければならない.
 術後後遺症にはいろいろなものがあるが,輸血による血清肝炎の問題などは手術全般に関係したもので,ここでは,省略することにし,主に手術手技に関係して起こる術後後遺症について具体的に記し,その予防法,また不幸にして生じた時の処置法についてのべてみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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