文献詳細
臨床研究
文献概要
はじめに
癌患者の病態を免疫学的レベルで解析する試みが数多くなされ,それらの結果より担癌宿主の主として細胞性免疫能により癌の進行が予測できることが知られてきている1,2).この事実をふまえて,現在種々の癌免疫療法が行なわれ,良好な成績も出始めている3).
われわれは,1972年以来癌の進展を知る目安として担癌患者の細胞性免疫能の中でも非特異的免疫反応を主体として検索を行ない報告してきた.その結果,癌患者の癌進行度,治癒切除可能度,予後判定,再発予知には非特異的免疫反応中でも特に末梢血リンパ球のPHA(phytohemagglutinin)に対する幼若化率(以下幼若化率)が最も有用であり,DNCB反応,PPD反応がそれをよく補佐することがわかつた2).術前幼若化率の有用性については既に報告したので,今回は幼若化率の術後の変化を中心に検索し,癌患者のfollow upへの意義について報告したい.
癌患者の病態を免疫学的レベルで解析する試みが数多くなされ,それらの結果より担癌宿主の主として細胞性免疫能により癌の進行が予測できることが知られてきている1,2).この事実をふまえて,現在種々の癌免疫療法が行なわれ,良好な成績も出始めている3).
われわれは,1972年以来癌の進展を知る目安として担癌患者の細胞性免疫能の中でも非特異的免疫反応を主体として検索を行ない報告してきた.その結果,癌患者の癌進行度,治癒切除可能度,予後判定,再発予知には非特異的免疫反応中でも特に末梢血リンパ球のPHA(phytohemagglutinin)に対する幼若化率(以下幼若化率)が最も有用であり,DNCB反応,PPD反応がそれをよく補佐することがわかつた2).術前幼若化率の有用性については既に報告したので,今回は幼若化率の術後の変化を中心に検索し,癌患者のfollow upへの意義について報告したい.
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