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文献詳細

雑誌文献

臨床外科32巻8号

1977年08月発行

特集 上部消化管大量出血

上部消化管出血源の探索—緊急内視鏡検査

著者: 平塚秀雄1 長谷川充輝1 後町浩二1 石本邦夫1

所属機関: 1平塚胃腸病院

ページ範囲:P.953 - P.959

文献概要

はじめに
 上部消化管の大量出血では出血性ショックをきたし,適切なしかも迅速な救命処置を講じなければ重篤な状態に陥ることはしばしば経験するところである.こうした緊急事態をのりきるためには,的確な出血源の診断,出血性ショックの管理,緊急手術の適否の決定に直面するが,Palmer1,2)の上部消化管出血の積極的診断法"Vigorous Di—agnostic Approach (VDA)"が,出血源の確認と早急の治療方針をうち立てるためにいかに有効であるかは数多くの文献より知るところである.一方,近年わが国においても川井3),竹本4),筆者5)らは早くより積極的に上部消化管出血例に胃ファイバースコープ検査を行ない,その早期診断の安全性と有用性の検討の努力の積み重ねと,内視鏡器具の改良,開発,技術の進歩と相まつて,緊急内視鏡検査(urgent endoscopy, emergencyendoscopy)の基礎がためがなされてきた.とくに最近はendoscopic treatment, endoscopic sur—geryという言葉で代表されるように,内視鏡診断と同時に直視下止血というdynamicな治療法にまで進歩してきたことは,一層この緊急内視鏡検査を高く評価することができよう.
 この進歩のなかで緊急内視検査の意義並びにいくつかの問題点について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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