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文献詳細

雑誌文献

臨床外科32巻8号

1977年08月発行

特集 上部消化管大量出血

上部消化管出血源の探索—その他の検査;選択的動脈撮影法など

著者: 佐々木常雄1 伊藤勝基2 加藤信夫3

所属機関: 1名古屋大学医学部放射線科 2名古屋大学医学部第2外科 3中京病院外科

ページ範囲:P.965 - P.969

文献概要

はじめに
 吐血あるいは下血を訴える消化管出血の場合,出血巣の部位,原因を探求することは従来からいろいろな方法で行なわれてきている.すなわち,消化管のバリウム造影検査,内視鏡検査,開腹手術などの方法により発見されてきている.しかし,かなりの症例において出血部位不明のままの場合もある7).Crohnによればこのような症例102例において20例は出血巣不明であり,胃のX線検査により発見しうる出血巣は68〜81%程度といわれている10)
 消化管出血は時としてその出血部位の診断,出血の成因診断が困難であり,いたずらに輸血を繰返しているためにDIC (Disseminated Intrava—scular Coagulopathy)を起こしたり,また試験開腹を行ない,出血点不明のまま盲目的に胃切除を行なつて,術後も継続出血があつたり,再出血を起こしたりすることが多い9).従つて出血点を見出すことはその治療及び予後に対し重要なきめ手となる.このような見地からみると,従来のようにいたずらに対症療法だけで過し,時機を失することなく,その急性期に積極的に内視鏡的検索を行なつたり,選択的血管造影,RI検査を行なつて出血点の診断を行なうことが必須不可欠な治療上のポイントとなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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