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文献詳細

雑誌文献

臨床外科32巻8号

1977年08月発行

特集 上部消化管大量出血

上部消化管大量出血の手術をめぐる問題点—ストレス潰瘍

著者: 島津久明1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.993 - P.997

文献概要

はじめに
 急性の大量出血を起こす上部消化管の原因疾患には様々なものが含まれるが,そのなかでストレス潰瘍は治療上きわめて厄介なものの1つで,保存的治療あるいは外科的治療のいずれによつてもその成績が一般に甚だ不良であることが知られている.この原因には,これらの症例における潰瘍発生の背景に多くの重篤な全身的要因が存在し,またこの場合の潰瘍病変が多彩な発生様式をとることが大きく関与している.
 本稿の主題はこれらの症例に対する手術適応と手術時期の問題であり,複雑な病態生理をもつストレス潰瘍について,これらの点を客観的に明快に論ずることは容易ではないが,これまでに当教室で経験した症例と文献上の知見を参照して著者の見解を述べることにしたい.なおストレス潰瘍に関しては,従来より多数の臨床的あるいは実験的研究の報告や論説があるが,ここでも一応その臨床的事項を概説し,しかるのちに主題の問題について述べることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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