文献詳細
臨床研究
Vater乳頭部癌と他臓器重複癌—自験3例と本邦報告例の検討
著者: 成末允勇1 岡島邦雄1 藤井康宏1 曽我部興一1 荒木京二郎1 石川純1
所属機関: 1岡山大学医学部第1外科
ページ範囲:P.1041 - P.1047
文献概要
近年,Vater乳頭部癌は,低緊張性十二指腸造影,経皮的胆道造影,十二指腸内視鏡およびこれによる膵胆管造影,さらには直視下生検などによりかなり診断が容易になり,比較的早期の段階で根治手術がなされるものが増え,その手術成績も次第に向上してきている.しかしながら,稀ではあるが,十二指腸乳頭部以外の臓器にも癌の重複がみられることがあり,その治療にあたつて留意すべきことと思われる.われわれは最近14年間に乳頭部癌26例中3例に他臓器重複癌を経験したので,本邦の文献集計とあわせて報告する.
掲載誌情報