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文献詳細

雑誌文献

臨床外科32巻9号

1977年09月発行

臨床研究

十二指腸潰瘍に対する迷切兼幽門成形術の長期遠隔観察による評価

著者: 平島毅1 原輝彦1 竹島徹1 川村功1 中村宏1 丸山達興1 竹内英世1 武藤護彦1 坂本昭雄1 山室美砂子1 碓井貞仁1 小越章平1 佐藤博1 広田和俊2

所属機関: 1千葉大学医学部第2外科 2広田胃腸病院

ページ範囲:P.1163 - P.1168

文献概要

はじめに
 近年本邦において消化性潰瘍とくに十二指腸潰瘍に対し出来るだけ胃を保存するといつた考えが浸透しつつあり,各種の迷走神経切離兼幽門成形術が積極的に行なわれるようになつた.1962年従来行なわれて来た広範囲胃切除術のほかに堺1),山岸2)らによつて迷走神経切離兼幽門洞切除術が行なわれ,次いで10年前から教室広田3)によつて迷走神経切離兼幽門成形術やこれに加えて胃前壁固定などが,施行された.教室では迷走神経切離(以下迷切と略す)によつて壁細胞性減酸を計り,幽門成形(幽成)または胃前壁固定(固定AP)などによつて胃内容停滞を防ぐ誘導術を合併して行なうものを総称して,迷切兼ドレナージ手術とも呼称して来た.迷切の方法としては現在全幹迷走神経切離術(全幹迷切T.V.),選択的胃迷走神経切離術(選胃迷切S.V.),選択的近位胃迷走神経切離術4)(選近迷切S.P.V.)があるが教室では従来前二者を行なつて来た.また幽門成形術としてはHeineke-Mikulicz幽門成形術5)(HM幽成)とFi—nney幽門成形術6)(Fy幽成)を行なつて来た.
 田北4)が選近迷切S.P.V.を行なうようになり更に迷切・幽成術が施行されるようになったが,これら迷切兼ドレナージ手術の長期遠隔成績の報告は少ない.教室では各種の迷切・幽成術を施行して以来最長10年を経過した症例があるので一つの区切りとしてこれら症例の遠隔成績,胃液分泌,胃内容排出及び幽成部内視鏡的観察からこれら術式の評価を試みた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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