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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻10号

1978年10月発行

特集 今日の癌免疫療法

癌免疫・化学療法の実際—薬剤選択から成績まで—私の処方;BCG生菌による免疫療法の実際

著者: 鳥巣要道1 藤原博1 宮原哲郎1 原田素彦1

所属機関: 1九州大学医学部第1外科臨床免疫研究室

ページ範囲:P.1419 - P.1425

文献概要

はじめに
 癌の免疫療法は,癌が生体にとつて非自己であり,生体が癌を異物として認識するという根本理念の上に成り立つたものである.本療法には大きく分けて特異的免疫療法と非特異的免疫療法とがあり,前者が上記の理念にかなつたもので,後者は免疫学的にも文字通り非特異的な療法である.癌研究に携わる多くの研究者が心血を注いでいるにもかかわらず,日常臨床において特異的免疫療法を推し進めるには,もうしばらくの時が必要であろう.
 最近の免疫学の進歩により,担癌患者が現在どのような免疫応答能力を保持しているかを,いろいろな非特異的マーカーでほぼ把握することができるようになつた.その研究成果によれば,担癌患者は癌の進行とともに免疫応答能力を低下させ,ついには免疫応答能力の崩壊をきたし,いろいろな外来抗原にも反応しなくなることがわかつてきた.そこでこの低下した担癌患者の免疫応答能力を免疫賦活剤で高めることにより,進行してくる癌の発育を抑制しようとするのが非特異的免疫療法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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