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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻10号

1978年10月発行

文献概要

臨床研究

原発性肝癌の治療成績—切除不能肝癌に対する門脈枝結紮例を中心として

著者: 吉岡一典1 𠮷田奎介1 清水武昭1 金沢信三1 高野征雄1 阿部要一1 本間憲治1 武藤輝一1 伊藤博2

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科 2富山医科薬科大学医学部外科

ページ範囲:P.1469 - P.1476

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はじめに
 最近における原発性肝癌の診断はAFP,肝シンチグラム,血管造影などの診断技術の進歩に伴い早期診断の可能性が増してきた.しかしこれら診断法や手術手技の進歩にもかかわらず,第11回日本肝癌研究会の追跡調査1)では切除率19.1%,腫瘍径5cm以下の細小肝癌切除例22例の報告がなされているにすぎず,必ずしも満足すべき成績ではなかつた.したがつて,数多い切除不能肝癌に対する治療に関心を払わざるを得ず,現在血行遮断術,放射線療法,抗癌剤投与などが検討されている.
 教室では1968年以降,切除不能の原発性肝癌に対し姑息的療法として症例を選び門脈枝結紮を施行してきた.そこで教室における成人原発性肝癌の概要を述べ,続いて門脈枝結紮症例についてその成績を中心に報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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