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臨床研究
胆道系手術における吸収性縫合材料の検討
著者: 夏田康則1 上尾裕昭1 八板朗1 杉町圭蔵1 中村輝久1 井口潔1
所属機関: 1九州大学医学部第2外科
ページ範囲:P.1477 - P.1481
文献購入ページに移動理想的な縫合材料とは,創傷治癒の早期には縫合部を把持するに十分な強さを維持し,組織の修復が完了する際には強い組織反応を伴わず完全に吸収されるものである1,2).さらに,取扱いが容易で結紮部のほぐれる心配のないことも必要な条件であろう.Polyglycolic acid(Dexon)やPolyglatin 910(Vicryl)などのすぐれた吸収性の合成縫合材料が開発されたが,それまではcatgutが唯一の吸収性縫合材料として広く用いられていた.
catgutは蛋白分解酵素によつて溶解吸収されるが,合成ポリエステルは加水分解によつて溶解される.したがつて,合成ポリエステルはcatgutにくらべ生体における抗張力が長く維持され,かつ感染に対する抵抗力が強いといわれている3-5).これまでの吸収性縫合材料の研究は,胃小腸吻合に関するものが多く,胆汁や膵液の存在下に比較検討されたものは乏しい.そこで,われわれは実験的に胆道系手術における吸収性縫合材料の比較をおこなつた.
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