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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻10号

1978年10月発行

文献概要

臨床研究

胆道系手術における吸収性縫合材料の検討

著者: 夏田康則1 上尾裕昭1 八板朗1 杉町圭蔵1 中村輝久1 井口潔1

所属機関: 1九州大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1477 - P.1481

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はじめに
 理想的な縫合材料とは,創傷治癒の早期には縫合部を把持するに十分な強さを維持し,組織の修復が完了する際には強い組織反応を伴わず完全に吸収されるものである1,2).さらに,取扱いが容易で結紮部のほぐれる心配のないことも必要な条件であろう.Polyglycolic acid(Dexon)やPolyglatin 910(Vicryl)などのすぐれた吸収性の合成縫合材料が開発されたが,それまではcatgutが唯一の吸収性縫合材料として広く用いられていた.
 catgutは蛋白分解酵素によつて溶解吸収されるが,合成ポリエステルは加水分解によつて溶解される.したがつて,合成ポリエステルはcatgutにくらべ生体における抗張力が長く維持され,かつ感染に対する抵抗力が強いといわれている3-5).これまでの吸収性縫合材料の研究は,胃小腸吻合に関するものが多く,胆汁や膵液の存在下に比較検討されたものは乏しい.そこで,われわれは実験的に胆道系手術における吸収性縫合材料の比較をおこなつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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