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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻11号

1978年11月発行

文献概要

特集 検査と合併症—おこさないためには、おこしてしまったら

血管造影の合併症とその対策—動静脈造影

著者: 平松京一1 古寺研一1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部放射線診断部

ページ範囲:P.1551 - P.1559

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はじめに
 腹部の血管造影が主としてdos Santosによる経腰的大動脈穿刺法1)で施行されていた頃は,血管造影の合併症に術者がかなり気をつかつていたことは確かであるが,Seldingerによつて開発された経皮カテーテル法2)の普及により血管造影に対する術者の緊張感はほとんどなくなり,気軽に行なわれるようになつて来たことは別の意味で危険性をはらんでいるようにも思われる.たしかに経腰的穿刺法に見られた合併症発生率はMcAfeeの調査によれば3%ともいわれ3),Langの調査4)による経皮カテーテル法の合併症発生率1.5%というデーターから見れば,経皮カテーテル法の出現によって合併症発生率が半減していることが容易に理解出来るものの,血管造影の適応がひろがり,それに伴う検査数の急速な増加を考えると,安易な気持でこの検査に当たることの危険性を痛感せざるを得ない.
 本稿では主として現在行なわれている経皮カテーテル法による血管造影の合併症とその対策について述べることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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