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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻11号

1978年11月発行

Spot

検査合併症と法

著者: 野田寛1

所属機関: 1大阪歯科大学医事法学

ページ範囲:P.1577 - P.1581

文献概要

はじめに
 臨床検査は現代医療にとつて欠かせないものとなり,それにつれて医療事故訴訟においても検査の不施行ないし不十分さが重要な問題とされてきている1).しかし本稿では,本特集のテーマにそつて,検査に伴う合併症の問題を中心に述べることとする.
 ところで,検査に限らず一般に医療行為と法との関係をみる場合,まずその医療行為自体について,刑法上は身体傷害罪(刑法204条.通説によれば医療行為は一応,本罪の要件たる「傷害」に該当する),民法上は不法行為(民法709条・損害賠償責任の一般的根拠)が問題となることがあり,さらにその医療行為に過失(いわゆる医療過誤)があれば,刑法上は業務上過失致死傷罪(刑法211条),民法上は不法行為または債務不覆行(民法415条・医療契約違反)などが問題となりうることに注目しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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