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検査合併症と法
著者: 野田寛1
所属機関: 1大阪歯科大学医事法学
ページ範囲:P.1577 - P.1581
文献購入ページに移動はじめに
臨床検査は現代医療にとつて欠かせないものとなり,それにつれて医療事故訴訟においても検査の不施行ないし不十分さが重要な問題とされてきている1).しかし本稿では,本特集のテーマにそつて,検査に伴う合併症の問題を中心に述べることとする.
ところで,検査に限らず一般に医療行為と法との関係をみる場合,まずその医療行為自体について,刑法上は身体傷害罪(刑法204条.通説によれば医療行為は一応,本罪の要件たる「傷害」に該当する),民法上は不法行為(民法709条・損害賠償責任の一般的根拠)が問題となることがあり,さらにその医療行為に過失(いわゆる医療過誤)があれば,刑法上は業務上過失致死傷罪(刑法211条),民法上は不法行為または債務不覆行(民法415条・医療契約違反)などが問題となりうることに注目しなければならない.
臨床検査は現代医療にとつて欠かせないものとなり,それにつれて医療事故訴訟においても検査の不施行ないし不十分さが重要な問題とされてきている1).しかし本稿では,本特集のテーマにそつて,検査に伴う合併症の問題を中心に述べることとする.
ところで,検査に限らず一般に医療行為と法との関係をみる場合,まずその医療行為自体について,刑法上は身体傷害罪(刑法204条.通説によれば医療行為は一応,本罪の要件たる「傷害」に該当する),民法上は不法行為(民法709条・損害賠償責任の一般的根拠)が問題となることがあり,さらにその医療行為に過失(いわゆる医療過誤)があれば,刑法上は業務上過失致死傷罪(刑法211条),民法上は不法行為または債務不覆行(民法415条・医療契約違反)などが問題となりうることに注目しなければならない.
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