文献詳細
講座 皮膚縫合の基本・9
文献概要
□損傷の評価
適切な解剖学的修復を行なうためには損傷の正しい評価が不可欠である.評価が不十分であれば正しい修復は行なえないし,後日後遺するであろう症状の原因と対策に関しても正しい情報が得られない.数針で事足りる損傷はさておき,比較的大きな損傷では評価に手順もある.顔面では顔面神経損傷の有無(側頭枝は眉毛を挙上する,頬骨枝は強く閉瞼させる,頬筋枝・下顎縁枝はそれぞれ「ウー」,「イー」と発音させて上・下口唇筋肉の収縮をみる(図1),併存しうる顔面骨骨折に伴う三叉神経の知覚障害の有無,眼瞼挙筋損傷の有無眼損傷を主体とする合併損傷の有無を大略判定する.
適切な解剖学的修復を行なうためには損傷の正しい評価が不可欠である.評価が不十分であれば正しい修復は行なえないし,後日後遺するであろう症状の原因と対策に関しても正しい情報が得られない.数針で事足りる損傷はさておき,比較的大きな損傷では評価に手順もある.顔面では顔面神経損傷の有無(側頭枝は眉毛を挙上する,頬骨枝は強く閉瞼させる,頬筋枝・下顎縁枝はそれぞれ「ウー」,「イー」と発音させて上・下口唇筋肉の収縮をみる(図1),併存しうる顔面骨骨折に伴う三叉神経の知覚障害の有無,眼瞼挙筋損傷の有無眼損傷を主体とする合併損傷の有無を大略判定する.
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