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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻12号

1978年12月発行

文献概要

臨床研究

大腸憩室病—合併症症例を中心とした発生部位による比較検討

著者: 豊島宏1 板東隆文1 古川喜一郎1 渡辺昇1 太中弘1 武村民子2

所属機関: 1日赤医療センター消化器外科 2日赤医療センター消化器病理

ページ範囲:P.1735 - P.1741

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はじめに
 Cruveilhier (1848),Graser (1899)の報告以来2),欧米では本症についての関心が高く,とくに白人に多いS状結腸憩室症例を中心に研究が行なわれてきた.そして現在では筋層の異常,腸管蠕動の異常,内圧亢進,抵抗減少部などが憩室の発生に重要な要因と考えられている8,21,22,24,29).その結果,憩室前駆状態(Predivertic—ular state)35,42),憩室症(Diverticulosis)などすべてを含めて憩室病(Diverticular disease)と呼称される傾向にある2,6,21,23).S状結腸憩室は,この憩室病という考えでかなり明確に解説されているが,盲腸・上行結腸憩室についてはどうであろうか,右側の症例は,欧米では頻度が低く,単発で全層を伴う真性憩室が多いと言われている2,6,40).しかし本邦の症例では,半数以上が右側憩室で,多発例も多く,白人とは異なつた傾向を示している38,39,43).発生病理的にも不明な点があり23),臨床的にもいわゆるS状結腸憩室病とは異なつた病像を示すことが多い13).また全結腸に多発する憩室はS状結腸憩室病に対比すると症候的にも組織学的にも異なるとの意見もある25)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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