icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻2号

1978年02月発行

グラフ 外科医のためのX線診断学・2

胸部X線像(2)

著者: 平松慶博1

所属機関: 1東京女子医科大学放射線科

ページ範囲:P.165 - P.169

文献概要

 読影の際に各解剖学的チェックポイントを順番に見て行くことは前に述べたが,特に左右を見較べて,左右差の有無あるいは,その度合から正常と異常を判別するものがある.それらは,肺野の明るさ,肺門の高さ,横隔膜の高さである.
 肺野の明るさは普通は左右が同じであるが,特に腕の筋肉をよく使う職業あるいはスポーツのために,その利き腕の側の前胸筋がよく発達していて,そのためにその側の肺野が他側にくらべて少し暗いことがある.同じ様な原因で左右差が生ずるものとして,乳房切除術がある.特に乳房があまり発達していない女性の場合には,すでに一側の乳房が切除されていても,案外それが見落されることがある.この場合には切除された側の肺野が他側より明るいが,健側の肺の異常が疑われることもある.乳房陰影の有無のほか,とくに根治的乳房切除術の場合には,腋下のリンパ節廓清術が行なわれるために腋下から上腕の軟部組織の変化が見られる(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら