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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻2号

1978年02月発行

文献概要

特集 消化性潰瘍と迷切術

迷切術の根拠

著者: 相沢勇1 伊藤漸1 中村卓次1

所属機関: 1群馬大学医学部第1外科

ページ範囲:P.177 - P.183

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はじめに
 消化性潰瘍に対する迷切術の理論的根拠について述べることは胃酸分泌に対する迷走神経の役割について述べることになる.しかし本特集の標題にも示されている通り,迷切術そのものが全て解決されておらず,更に消化性潰瘍の原因を胃酸にのみ求めるのは妥当でないという根本的問題もある.たしかに迷切術は高酸症に起因すると思われる十二指腸潰瘍には有効であるが,当初胃酸分泌抑制にのみ片寄つた結果,さまざまな副作用があらわれて来て,その解決に対して近年いろいろな工夫がなされるようになつている.こんなことを考え合わせると,問題は極めて複雑化し一冊の単行本にも収容しきれない量となる.本稿では,限られた紙面の中で,現在行なわれている各種迷切がどのように発展して来たのか,またそれぞれの術式にはどのような意味があるのかをわかり易く説明することにした.それゆえ,高酸でもないのに消化性潰瘍ができる場合があるように,必ずしもすべてが解明されていない問題も一応no acid,no ulcerの線に沿つて説明することにした.一層詳しい説明は他の成書等にゆずる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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