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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻2号

1978年02月発行

特集 消化性潰瘍と迷切術

迷切の合併症およびその対策

著者: 島津久明1 小西富夫1 山岸健男1 谷昌尚1 高橋忠雄1 朝隈貞雄1 井原悠紀夫1 平田忠1 武部嗣郎1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.223 - P.229

文献概要

はじめに
 近年,本邦においても胃・十二指腸潰瘍に対する1つの手術術式として迷走神経切離術(以下,迷切と略す)が次第に広く普及し,その術後成績や術後の病態生理に関して多くの検討が加えられるようになつている.多数の症例を対象とした術後長期の遠隔成績はなお十分に集積されるに到つていないが,現段階においてその総合的な成績はほぼ満足すべきものと考えてよいようである.侵襲の少ない保存的な術式であるために,術中・術後に重大な事態が生ずることは稀であるが,本質的に良性の疾患を対象としているので,その実施に際しては,とりわけ細心の注意を払つて安全・確実に行なうべきことはいうまでもない.しかし,それにも拘らず,一部の症例の術中や術後にいろいろな偶発症や合併症が発生することが知られている.そこで本稿では,これらに関する主な問題とその対策について,自験例における経験と文献上の知見に基づいて述べることにしたい.
 なお迷切術式には,これを単独または幽門形成を付加して行なう術式と何らかの胃切除と併用して行なう術式の2つがあるが,ここでは両者に関するものを含めて論ずることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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