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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻2号

1978年02月発行

外科医の工夫

Whelan-Moss T-tube

著者: 山川達郎1

所属機関: 1 2帝京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.250 - P.251

文献概要

 遺残胆管結石は,胆石症手術後困難症の内,最も頻度の高いものであり,また再手術による合併症発生率は,初回手術のそれに比し2倍も高いとされている事実などからしても,遺残胆管結石が発見されたときには外科医としても,でき得れば非観血的に再手術を行なうことなく結石を除去したいと考えることは当然のことである.1973年Burhenneは,遺残胆管結石の非観血的治療を試みるためにsoft steerable catheterを考案,良好な成績1,2)を収めたことを報告しており,1976年10月,日本においてもその有用性につき講演3)している.著者ら4-6)は,改良型胆道fiberscopeを用い,術後3週間後に行なうT-tube cholangiographyの補助診断法として,T-tube抜去後の瘻孔を介して行なう術後胆管内視鏡検査法を開発し,殊に本法が,遺残胆管結石の診断と非観血的治療上,直視下に行なうことができるために,安全性および的確性においてBurhenne's techniqueに優るものとして報告してきた.
 著者の一人は,すでに54例の遺残胆管結石症に遭遇し,この内T-tube抜去時,幸いにもT-tubeとともに結石が瘻孔や乳頭形成術施行部を介して外部に,または十二指腸に自然排出してしまつた2例を含む52例において非観血的な結石摘出術に成功しているが,これらの症例は再手術をまぬがれたばかりでなく術後の経過も全く順調であつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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