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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻3号

1978年03月発行

カラーグラフ 消化器内視鏡シリーズ・32

阻血性大腸炎

著者: 武藤徹一郎1 上谷潤二郎1 堀江良秋1 山城守也2 日野恭徳2

所属機関: 1東京大学第1外科 2養育院附属病院外科

ページ範囲:P.310 - P.311

文献概要

 阻血性大腸炎は心臓血管系に異常を有する高齢者によくみられる疾患で,低下圧発作の前駆症状に引き続いて突然発症することが多い.症状は突然の下血で,軽度または激烈な腹痛を伴う.病変部位はS状結腸,下行結腸,脾曲部が多い.発症後短時間で潰瘍化から治癒に向うものが多いが,比較的長期間にわたつて治癒が遷延するものもある.
 侵された腸管の障害の程度により3つの型に分けられる.(1)一過性のものは障害の程度も軽く,ほとんど瘢痕も残さずに治癒する.(2)潰瘍狭窄型は腸壁の障害が深層にまで及んだもので,潰瘍を形成した後に瘢痕による狭窄が生じる.(3)壊死穿孔型は腸壁の壊死が深層にまで及び穿孔を起こしたものである.一過性のものには外科的治療を必要としないが.狭窄型のものは狭窄が著しい場合には切除を必要とする,壊死穿孔型のものは速かに診断して救急手術を行なう必要があるが,予後は良くない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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