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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻4号

1978年04月発行

特集 術後呼吸障害とその管理

術後の血液ガス異常

著者: 吉竹毅1

所属機関: 1東京大学医学部胸部外科

ページ範囲:P.499 - P.507

文献概要

はじめに
 臨床上,治療面で通常測定する血液ガスは酸素(O2)と炭酸ガス(CO2)である.O2は生体内のmitochondriaに運搬され,エネルギー基質を酸化することにより発生する自由エネルギーを化学的エネルギーに変換し,生体維持およびその機能発現のため消費されるので,外界より細胞内へのO2の運搬,その化学反応は生命の根源である.このO2を外界より取り込む第一の関門は肺である.O2は肺の膜を通して拡散により血液に移行し,受取られ,さらに血液より細胞に運搬される.
 細胞で物質の酸化の結果CO2が生産される.この代謝終末産物であるCO2は,主として血液によりO2とは逆方向に運搬され,肺より呼出される.このO2の摂取,CO2の排出が肺において障害されると,生命に直結した危機を生ずることとなる.したがつて,肺での呼吸障害を検索するためには,O2とCO2は性質が異なるため,障害機序も異なることとなり,両ガス各々の測定が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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