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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻5号

1978年05月発行

文献概要

特集 乳幼児急性腹症—診断のポイントとfirst aid

緊急手術の適応—消化管出血

著者: 角田昭夫1

所属機関: 1神奈川県立こども医療センター外科,研究普及室

ページ範囲:P.673 - P.679

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乳幼児急性腹症と消化管出血
 消化管出血を急性腹症の1つに数える考えはある意味では正しい.疾患によつては開腹のみが診断,治療の解決策となり得るし,また大量出血により貧血,ショックなどを招き,救急治療を要する場合もあり,更に消化管出血が腹痛,消化管閉鎖などの他の急性腹症の症状と合併して起こり得るからである.
 次項でのべるように,小児消化管出血は特定疾患に限定されており,その中で急性腹症の範疇に入るものを探すと,それ程多くはない.腸重積は少量下血に腹痛,嘔吐を伴う代表的急性腹症疾患であるが,本特集では他の著者が別に一文を発表する予定であり,本稿では極く簡単に触れるに留める.出血性Meckel憩室も昔は診断方法がなく開腹診断が是認された疾患であるが,現在アイソトープによる診断が普及し,急性出血期に開腹することは少なくなつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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