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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻5号

1978年05月発行

文献概要

特集 乳幼児急性腹症—診断のポイントとfirst aid

緊急手術の適応—胆道,膵疾患

著者: 矢野博道1 松本英則1 吉成元希1

所属機関: 1久留米大学医学部小児外科

ページ範囲:P.693 - P.703

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はじめに
 乳幼児期に急性腹症として緊急手術を必要とする疾患は表1に示すように決して稀ではなく,殊に急性虫垂炎,腸重積症,イレウスなどは常に念頭に置くべき疾患であり(頻度が高い),また診断もさほど困難ではない.一方,乳幼児期の急性腹症としての胆道・膵疾患は比較的稀で,かかる症例に遭遇した際にこれらの疾患のあることを失念し,診断が遅延して治療に困惑することが少なくないと思われる.すなわち,乳幼児期の胆道・膵疾患に対しては現在、症例に対する不慣れ(認識の不足),諸検査の不備・非容易性,更に患児の表現の稚拙などによつて,必ずしもその診断は容易ではない(表2).
 本文では小児の胆道・膵疾患の中でも比較的頻度の高い急性胆嚢炎,胆石症,特発性胆道穿孔,先天性胆道拡張症,急性膵炎などについて緊急手術の適応を中心に述べ,更に,自験例を分析して盲点とコツについても触れて,大方のご参考に供したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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