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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻5号

1978年05月発行

文献概要

手術の周辺

手指消毒法の研究<補遺>

著者: 古橋正吉1 宮前卓之1 上田伊佐雄1 池内宏1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部手術部

ページ範囲:P.733 - P.738

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はじめに
 手指消毒の効果判定には各種の方法があるが,私共はserial basiu hand washing test(Price)変法を用いベースン中に脱落した生菌数を定量的に測定する方法で研究してきた.この結果,市販手指消毒薬でブラシ洗いしても,皮膚組織および寄生細菌叢の特殊性からみて,現状ではskin degerminationの範疇にとどまることを報告した(本誌1974年11月,12月).その後,さらに研究を続けた結果,ethyl alcoholの迅速殺菌作用を評価すべきであるという結論に達した.ethyl alcoholは皮膚細菌に対しすぐれた減菌効果がありskin disinfectionの目的にかなうものといえる.ただし,いきなりalcoholを適用するのではなく,まず優れた消毒薬によるブラシ洗いを3分程度行なつた後に,alcohol溶液を手指,前腕部皮膚にすりこむ方法が減菌効果がもつとも良く,手洗い時間の短縮にも役立ち実用的であるという結論を得た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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