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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻6号

1978年06月発行

文献概要

Practical Postgraduate Seminar・13

Surgical Oncology—癌治療の総合的併用療法の基礎と臨床

著者: 中島聰總1 梶谷鐶1

所属機関: 1癌研究会附属病院外科

ページ範囲:P.900 - P.910

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はじめに
 癌治療の一環としての外科手術の重要性は今日でも不変であるが,それ自体として完結した治療法ではない.たとえば外科医が治癒手術を施行しえたと判断した進行胃癌の術後5年生存率は41.8%にすぎず,症例の半数は再発死亡しているのが現状である.手術後の遺残腫瘍を生体が拒絶しうる限界は106とも6×108個(0.6gr)ともいわれている1,2).これらの腫瘍量は驚くほど少量であり,肉眼的治癒手術と判定しても,この限界を越えて腫瘍が残存することはしばしはあるであろうと思れわる.今日,これ以上手術手技の改善が望めないならば,術後の残存腫瘍に対する治療は他の補助的手段に求めざるをえない.Johnson3)は従来の治療法が何故有効でなかつたかを解析した上で,現在応用可能な治療法を総合的に併用する事(lntegrated cancer therapy)が重要であると指摘している.
 以下手術に併用する補助療法の理論的根拠と適応,ならびに有効と思われる補助療法の実際について概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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