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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻7号

1978年07月発行

文献概要

Topics

急性汎発性腹膜炎の外科治療—とくに腹腔内超音波洗浄法について

著者: 岡崎武臣1 桐田孝史1 平林武1 木村恒人1 倉光秀麿1 織畑秀夫1

所属機関: 1東京女子医科大学外科

ページ範囲:P.997 - P.1001

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はじめに
 消化管穿孔による急性汎発性腹膜炎は,各種抗生剤の開発や,ショックに対する治療法の進歩した今日でも極めて重篤な疾患であるが,近年その治療成績は大幅に向上している.
 治療成績向上の理由として,救急医療体制充実による患者の早期来院早期治療,麻酔の進歩,術前術後の管理の進歩などがあげられるが,なかでも開腹時に施行される大量の生理的食塩水による腹腔内洗浄は腹腔内汚染物質の根治的除去を可能にしたばかりでなく,早期の上部消化管穿孔による汎発性腹膜炎などには殆んどの症例に,ドレーン挿入を必要としなくなり,それまでのドレーン挿入による癒着や創治癒の遷延化を防ぐという点でも治療成績向上に大きな役割をはたしているものと考えられる.しかし腹腔内大量洗浄に関しては未だその量,成分,温度,洗浄方法などに確立された方法はなく,各施設では術者の"カン"と経験をたよりに大量洗浄のために多くの人手と時間をかけているのが現状であり,夜間緊急時など不完全な洗浄に終る可能性もあるなど多くの問題をのこしている.最近われわれはこれらの点を解決すべく,大量洗浄装置を試作し,適温による短時間の腹腔内大量洗浄を可能にした.また更に洗浄効果を向上させるため,超音波の洗浄作用を腹腔内洗浄に応用すべく,腹腔内洗浄用超音波発振装置を試作し,実験犬により洗浄効果と安全性を確認後,7例の臨床例に応用し好結果を得た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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