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特集 老年者の手術—併存疾患の診かた・とらえ方
腎機能障害がある場合—私はこんな点に注意している
著者: 太田和夫1 狩野司1
所属機関: 1東京女子医科大学人工腎臓センター外科
ページ範囲:P.1097 - P.1103
文献購入ページに移動手術を行なう場合には,常に併存疾患の有無を調べ,適応の決定,予防対策の検討がなされなければならないが,特に腎臓は手術侵襲の影響を強く受けるばかりでなく,麻酔薬の排泄,抗生剤の使用などにも関係が深いので,その機能が低下している場合にはいろいろと配慮しなければならない点が多い.
一方,腎はいわゆる庇護がかなり有効に作用する臓器であつて,術前,術中,術後のちよつとした処置が明暗をはつきり分けることも決して少なくない.そのため腎機能が低下した患者を取扱う場合,その対策について十分な認識を持つことがこれらの患者の術前,術後を管理する上で極めて大切なこととなつてくる.特に老年者は腎機能の低下している症例が多く,また一旦,急性腎不全に陥つた場合には予後が不良となりやすいため特に注意が肝要となる1).
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