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臨床報告
穿通性化膿性縦隔洞炎を合併した重症Mallory-Weiss症候群の治験例
著者: 岡本晃愷1 高橋幹夫1 安藤太三1 渡辺孝1 三枝裕幸1 褚賛発2 森岡明2 星昭二3 林正康3 桜井護3
所属機関: 1静岡済生会病院胸部外科 2静岡済生会病院消化器内科 3静岡済生会病院中央検査部
ページ範囲:P.1201 - P.1203
文献購入ページに移動近年,内視鏡学的検査の進歩により,大量出血を伴う上部消化管疾患の早期確定診断率は増加し,各疾患の死亡率も減少している.しかし,1929年Mallory andWeiss1)により報告されたE-C JunctionのPoste—metic Lacerationを主体とするいわゆる"Mallory—Weiss症候群"(以後,M-W,Synd.と略す)の診断,治療成績は十分といえない.当静岡済生会病院において,1974年4月より1977年8月まで約3年間に,内視鏡学的あるいは手術により確認されたM-W,Synd.は10例であり,男8例,女2例,30歳〜66歳平均48歳で,全例とも治癒せしめ得たが,うち1例は,下部食道穿孔による化膿性縦隔洞炎を伴う重症M-W,Synd.であり,緊急根治手術によつて救命,社会復帰せしめ得たので,その臨床経過,手術所見に若干の文献的考察を加え発表する.
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