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文献詳細

雑誌文献

臨床外科33巻9号

1978年09月発行

文献概要

特集 食道癌手術の近況

胸部下部・腹部食道癌の手術—胸骨正中切開による切除の可能性について

著者: 和田達雄1 丸山雄二1 片山憲恃1 小西敏郎1 高浜龍彦1 山村卓也1

所属機関: 1東京大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1245 - P.1252

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はじめに
 食道壁内の脈管系は,縦軸方向にきわめて豊富な吻合をもって連絡されている.したがつて,食道癌の壁内浸潤やリンパ節転移は縦軸方向に進展しやすい.
 食道癌の根治的切除に当つては,これらの浸潤や転移を除去するために,できるだけ縦軸方向に広い範囲の切除や廓清を行なわなければならないことは周知の事実である.たとえ,主病巣が下部食道や腹部食道を占居する場合であつても,癌がある程度進行した例では,胸部食道の全摘,胃の噴門側1/2を切除するとともに,縦隔内,腹腔内のリンパ節はもちろんのこと,頸部リンパ節まで廓清しなければ根治的な切除が不可能な場合がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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