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臨床報告
胸腔内甲状腺腫の4症例
著者: 速水四郎1 長谷川晴彦1 高本滋1 中神信男2 石川覚也2 福田巌2 古田環2 竹内栄二2 鈴木裕2 山内晶司2 宮田完志2 宇仁田卓2 宇野裕3 鈴木幸三4
所属機関: 1名古屋第一赤十字病院内科 2名古屋第一赤十字病院外科 3名古屋大学医学部付属無菌動物研究施設 4更生病院内科
ページ範囲:P.123 - P.127
文献購入ページに移動胸腔内甲状腺腫の定義・分類及び呼称に関して多くの報告があるが未だ一定の見解がなく,臨床上甲状腺腫の最大部または最大径が胸腔上口以下にあるものをintra—thoracic goiterとし,そのうち全体が胸腔内にあるものをcompleteまたはtotal,他をincompleteまたはpartialとするものが多い9,15).その他,解剖学的な位置関係を加味したCurtis1)や原等3)の分類,迷入甲状腺腫を分離したRives12)の分類などがある.
著者等は甲状腺疾患患者1,159例,結節性甲状腺腫(以下結節腫と略)患者486例の中,頸部甲状腺腫に連続し胸腔上口以下に最大径を有する不完全胸腔内甲状腺腫(以下不完全胸腔内腫と略)の4例(癌腫2例,腺腫2例)を経験したので,その概要を報告すると共に胸腔内腫本邦集計例と頸部結節腫自験例の臨床像を比較検討した.
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