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文献詳細

雑誌文献

臨床外科34巻10号

1979年10月発行

特集 急性胆嚢炎の治療

手術のタイミング—私はこう考える

外科の立場から

著者: 伊藤俊哉1 谷口晴幸1 古井純一郎1

所属機関: 1長崎大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1525 - P.1529

文献概要

はじめに
 急性胆嚢炎は胆石と合併していることが多く,これに感染が加わると急性胆嚢炎の臨床症状を示す.従つて,胆石の存在部位,病原菌の種類,胆汁うつ滞の程度,胆嚢壁の炎症の程度,合併症の有無などにより,軽重多彩な臨床経過を示す.一般に急性胆嚢炎と診断されると,初期にはまず保存的療法が試みられ,寛解期に胆道系の精査を行ない,胆石や胆嚢機能障害が証明されると手術適応となる.外科臨床上取り扱う大多数の症例は,このような症状間歇期のものであり,一期的に胆嚢摘出術を中心とした定型的手術がなされる1)
 しかし,発病早期よりあるいは来院時に既に重篤な急性胆嚢炎の所見を示す例や保存的療法で軽快の兆のみられない例などに対して,どの時点で外科的処置に踏み切るのが適切であるのか?また急性化膿性ないし壊疽性虫垂炎に対して,早期手術に異論を唱える人は少ないと思われるが,同種の胆嚢炎に対して何故早期手術が普及していないのであろうか?これらの点を解明する目的で,教室で経験した急性胆嚢炎手術症例を分析し,炎症の程度と手術時期について検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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