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文献詳細

雑誌文献

臨床外科34巻12号

1979年12月発行

文献概要

特集 噴門部癌の特性と外科治療

病理よりみた噴門部胃癌(腺癌)の特徴

著者: 加藤洋1 菅野晴夫1 中村恭一1

所属機関: 1癌研究所病理部

ページ範囲:P.1851 - P.1856

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はじめに
 噴門(Cardia)とは胃の入口部のことであり,噴門部(Cardiac portion)とは,通常,食道と胃の接合部を含む狭い部分を漠然と指す.従つて,噴門部癌と言えば,食道最下部および胃最上部の癌を含み,組織学的には扁平上皮癌を含みうる.しかしここでは,粘膜面より見て,食道胃接合線(E-G junction)より2cmまでの胃部分に注目し,ここに病巣の中心がある腺癌を噴門部胃癌として,その病理統計学的特徴について他領域の胃癌と比較しながら検討する.また,胃噴門腺は幽門腺と同様粘液腺であり,幽門腺領域に通常起こり易いとされる腸上皮化生は胃噴門腺領域にも起こり易い.すなわち,噴門腺領域と幽門腺領域は胃癌発生の背景がよく類似している.従つて,両領域の胃癌を組織発生の立場から比較することも大変興味あることと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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