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文献詳細

雑誌文献

臨床外科34巻12号

1979年12月発行

文献概要

臨床研究

尺骨動脈閉塞と指血行障害

著者: 平井正文1 河合誠一1 塩野谷恵彦1

所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院分院外科

ページ範囲:P.1889 - P.1892

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はじめに
 一般に,四肢動脈閉塞性疾患において,尺骨動脈は橈骨動脈に比べ閉塞をきたす頻度の高いことが報告されており1),しばしば無症状にもかかわらず,Allenテストや血管撮影にて尺骨動脈の閉塞が確認される2,3).つまり,尺骨動脈の閉塞は,必ずしも指阻血症状を発生させるとは限らないが,現在まで尺骨動脈閉塞例における症状発生機転について詳しい検討がなされていない.また,このような無症状な尺骨動脈閉塞の臨床的意義についての報告もなされていない.
 すでに私たちは,四肢動脈閉塞性疾患においては,指血圧の低下が症状の発生に不可欠な条件であり,全指血圧測定の有効性について報告している4).今回は,尺骨動脈閉塞例と橈骨,尺骨両動脈閉塞例とにおいて,手関節,指収縮期血圧,血管撮影所見を比較することにより,尺骨動脈閉塞例における指阻血症状の発生機転について検討を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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