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文献詳細

雑誌文献

臨床外科34巻2号

1979年02月発行

特集 外科とエコー

心臓—成人の心疾患,特に弁膜症

著者: 尾本良三1 横手祐二1

所属機関: 1埼玉医科大学第一外科

ページ範囲:P.183 - P.193

文献概要

はじめに
 外科における心エコー図(Echocardiography)の臨床的意義は近来ますます大きくなつてきた.従来のシングルビーム心エコー図(いわゆるUCG)に加えてこの1〜2年間のリアルタイム心臓断層の技術的進歩が,このような事情の背景である.リアルタイム映像法の開発された当初は,リアルタイム心臓断層の映像としての画質が著しく劣つていた.その頃にはリアルタイム心臓断層法はシングルビーム・心エコー図のビーム方向のチェックに有用な補助手段として評価されたに過ぎない.リアルタイム映像法の画質の著しく向上した現在では,リアルタイム映像法そのものが重要な診断的意義を持つようになつた.この時,一番問題となるのは心臓カテーテル検査,X線心臓血管撮影法との関係である.今日,すでに明らかになつたことは,一部の疾患ではリアルタイム映像法が心臓カテーテルやアンジオグラフィーをほとんど無用のものとし,またある疾患ではリアルタイム映像を抜かしては正確な診断をつけられないという事実である.本稿では,著者自身が手術的に手がけた症例を中心に"外科的に心エコー図がどのように役立つているか"について心臓外科と心エコー図とのかかわり合いを述べ,この領域の現況の報告とさせて戴くこととする.内容は成人の疾患のうちでも特に弁膜症が中心となつている.なお,先天性の小児心疾患について,また,心エコー図一般1-7)に関しても他を参照して戴きたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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