文献詳細
臨床報告
純型肺動脈閉鎖症の1経験例
著者: 土屋幸治1 保浦賢三1 副島健市1 飯田良直1 金田吉男2
所属機関: 1山梨県立中央病院心臓外科 2山梨県立中央病院小児科
ページ範囲:P.281 - P.283
文献概要
心室中隔欠損症を伴わない肺動脈閉鎖症(pure pul—monary atresia:以下PPAと略す)は,非常に稀な先天性心疾患であり,大部分の症例は低酸素血症あるいは心不全のために新生児期,乳児期内に死亡する.本症患児が生存するためには,卵円孔及び動脈管の開存が不可欠であるが,両者共生直後より閉鎖傾向を示すため早期に何らかの外科的処置を施さないかぎり症状は急速に悪化し,死亡するに至る.
われわれは最近,4カ月乳児のPPAに対し,肺動脈弁切開術を施行したが,術後急速に血圧の低下をきたし死亡した1例を経験したので本症の外科治療に考察を加えて報告する.
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