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文献詳細

雑誌文献

臨床外科34巻3号

1979年03月発行

文献概要

特集 成分輸血 成分輸血の実際〈適応,投与法,臨床効果〉

血小板輸血

著者: 許俊鋭1 大谷五良1

所属機関: 1三井記念病院外科

ページ範囲:P.333 - P.340

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 はじめに
 血小板の止血機能は①血管の損傷部位への血小板plugの粘着,②血管内皮の増強,③血小板第3因子のprothrombin→thrombinへの過程の増強作用1)であり,血小板は止血機構の重要な役割を果している.わが外科においては,大量保存血輸血症例など様々な原因による血小板減少に起因する出血傾向症例は多く,これらの症例の緊急手術時における出血のコントロールは臨床上大きな問題である.従来,われわれは日赤より供給される濃縮血小板血漿をこのような場合用いてきたが,緊急時には入手困難な場合が多かつた.1977年9月より連続成分採血装置Haemonetics Model 30を導入し血小板大量輸血が緊急時でも行なえるようになり,臨床的に極めて良好な成果をあげてきた.しかし一方では供血者の選択や,血小板大量輸血の副作用,有効な血小板の用い方など多くの問題があり,今後十分に検討を加え改善していく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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