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臨床報告
比較的若年者にみられた同時性,異時性多発性動脈瘤の1例
著者: 松岡潔1 三原康生1 伊藤保憲1 数野博1 池田敏夫1 岩田克美2 徳岡裕文2 溝渕正行3 万代矩之3 納所実3 野村修一3
所属機関: 1高知県立中央病院外科 2高知県立中央病院臨床病理科 3岡山大学医学部第2外科
ページ範囲:P.411 - P.416
文献購入ページに移動動脈瘤は種々の原因により発生し,今日その大半は動脈硬化性であるが,本邦では原因不明の炎症にもとづく動脈瘤が比較的多く,また最近大動脈炎症候群に伴う動脈瘤も注目されている.しかし組織学的検索によつてもその成因を解明しえない場合も少なくない.
われわれは45歳の女性で,左腋窩動脈瘤で発症し,約2年後右腋窩動脈,腹部大動脈,総肝動脈,左腎動脈に多発性の動脈瘤を形成,さらにその後胸部下行大動脈にも動脈瘤を発生した症例を経験した.比較的若年者であり,異時性,同時性に多発していること,またその成因に関しても問題があり,はなはだまれな例と思われるので報告する.
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