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文献詳細

雑誌文献

臨床外科34巻4号

1979年04月発行

文献概要

特集 Elemental Diet

ED投与方法の実際

著者: 小山真1 相場哲部1 山岸良男1 吉川和子1 武藤輝一1

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科

ページ範囲:P.463 - P.469

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はじめに
 EDはアミノ酸のみでも生長,発育,維持が得られると言うRose一派の業績に端を発しており,従つて蛋白源としてアミノ酸混合物(または蛋白水解物)を含むことが条件である."消化を必要とせぬもの"との考え方は,その後の改良の結果,アミノ酸以外は消化を必要とするものも一部含まれるようになり,chemical defined dietと定義が拡大されている.
 初めて臨床的に長期のED投与を行なつたのはWinitzら1,2)(1965)であるが,以来数種のEDが開発され広く用いられている.しかし本邦においては個々の施設で入手し細々と用いて来たにすぎず,著者らの教室でも小腸広切例等の治療上の必要で入手を試みたが果さず,1973年頃より止むを得ずアミノ酸混合物に電解質剤を加えて使用し,著しい効果を認めていた3).その後はこれに更にグルコースやビタミン剤を混じて日常の臨床に用いて来たが,先頃千葉大,第2外科とVivonexの特許を取得した"味の素"KKが協力してED—ACを試作,検討が開始され,近く広く用いられるような機運にあるのは誠に幸いである.このようなED投与に関しては,最近,小越ら4-6)の一連の報告がみられるが,ここでは主としてED—ACを用いた自験例での経験を中心に投与法の実際について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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