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文献詳細

雑誌文献

臨床外科34巻6号

1979年06月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい手術の適応とタイミング—注意したい疾患45

食道憩室

著者: 遠藤光夫1

所属機関: 1東京女子医大消化器病センター外科

ページ範囲:P.793 - P.795

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■なぜ内科治療とのControversyになるか
 消化管憩室のなかで食道憩室は決して珍らしいものではないが,自覚症状がなく,何かの機会に行なつたX線検査で,たまたま発見されることが多い.急性炎症のある場合以外,内科的治療の適応となる疾患ではなく,外科治療の適応も,気道との瘻孔形成,強い憩室炎をみるもの以外では,その発生部位によつて,相対的に外科治療の適応が考えられている.
 食道憩室は,その発生部位からほぼ,
 a)咽頭食道憩室
 b)中部食道憩室(気管分岐部付近)
 c)横隔膜上憩室
の3種類に分けられるが,それぞれ少しずつちがつた発生状況もし,また相対的な外科的適応も異なつている.a),c)の成因は,圧出性の因子が強いとされ,一応手術の適応も考えられるが,b)は牽引性と考えられるものであつて,5年以上の経過を追求した報告でも殆んど増大もせず,合併症がなく,愁訴が余りみられない限り内科的に経過をみる場合が多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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