文献詳細
文献概要
特集 これだけは知っておきたい手術の適応とタイミング—注意したい疾患45
Mallory-Weiss症候群
著者: 渡部洋三1 宮城伸二1
所属機関: 1順天堂大学医学部消化器外科
ページ範囲:P.827 - P.831
文献購入ページに移動その後Hardy3)が,M-W症候群を最初に内視鏡によつて診断して以来症例も増加し,ことにpanendoscopeによる緊急内視鏡検査の普及により,ここ数年の間に激増している.このように内視鏡検査によつて比較的容易に本症候群が診断されるようになつてからは,それまでチェックされなかつたような少量の出血のみで終る軽度のM-W症候群の占める割合が増加し,内科的治療で治癒する例も多くなつてきた.竹内4)が1977年に行なつたM-W症候群の全国集計によると,症例は216例で不明を除いた194例中,内科的治療を行なつたのは140例(72.2%)と約7割を占めている.またその死亡率は,内科的治療で11%,外科的治療で20%と外科的治療の方が高い死亡率である.外科的治療より低いとはいえ,内科的治療後の死亡率がかなりあることは,この中に手術適応例が含まれている可能性が大である.
掲載誌情報