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文献詳細

雑誌文献

臨床外科34巻6号

1979年06月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい手術の適応とタイミング—注意したい疾患45

十二指腸潰瘍

著者: 長尾房大1 青木照明1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学第2外科

ページ範囲:P.833 - P.837

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■なぜ内科治療とのControversyになるか
 1.病因および病態生理の解明不十分
 消化性潰瘍,なかんずく十二指腸潰瘍の病因については,古くから,政撃因子としての酸・ペプシン分泌の神経性過剰が指摘され,防御因子としての粘膜抵抗の弱い"継ぎ目"に潰瘍発生をみることがいわれており,概念的には,その病因,病態は容易に理解され得ている.そして,それらの知見に立脚した理論的根拠にもとづいて各種減酸手術が外科治療に導入され,治療の実際においても極めて優秀な成績をあげている.しかし,こうした総括的概念において異論はあまりないとしても,個々の症例において,どこまで保存的に治療可能で,どのような病態を呈したら外科的に治療すべきか,保存的治療から外科的治療への移行点は極めてあいまいである.これは一重に,病因,病態生理の解明が未だ不十分で疾患自体のlife cycle起承転結の全貌が必ずしも明らかとされていないため,個々の症例での予後の予測が困難でいることによると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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