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文献詳細

雑誌文献

臨床外科34巻6号

1979年06月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい手術の適応とタイミング—注意したい疾患45

—いま,内科では—潰瘍性大腸炎の治療

著者: 吉田豊1

所属機関: 1弘前大学医学部第1内科

ページ範囲:P.873 - P.874

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内科医は外科的な,外科医は内科的視野を
 潰瘍性大腸炎の患者を診る場合,内科医はもつと外科的な視野で,外科医はもつと内科的な診かたで,とまず強調したい.本症はもともと内科と外科の境界領域の疾患であつて,とくに重症型では内科医と外科医が一緒になつて経過をみるのが望ましいのである.内科医は,今日の進歩した内科療法をもつてしてなお10〜20%は手術適応であり,とくに全大腸重症型では少なくとも50%は手術を余儀なくされる事実を認識しなければならないし,逆に外科医は80%以上の症例は内科医に十分コントロールされるものであり,治療の原則はなお内科療法にあることを知る必要があろう.かくして,内科で治療が長過ぎたために手術のタイミングを失したとか,手術の適応を広げすぎたといつたことがきかれなくなることと思う.以下,手術適応と手術のタイミングについて内科医としての私見を述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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