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文献詳細

雑誌文献

臨床外科34巻6号

1979年06月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい手術の適応とタイミング—注意したい疾患45

バセドウ病

著者: 岩浅武彦1 降旗力男1

所属機関: 1信州大学医学部第2外科

ページ範囲:P.959 - P.962

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■なぜ内科治療とのControversyになるか
 今日バセドウ病の治療法は抗甲状腺剤による内科的治療,131I治療,そして外科的治療があるが,いずれの治療法にも長所,短所があつて治療法の選択についてはいまだ一定の基準がない.本稿は主に内科的治療と比較した外科的治療の特徴と,手術適応について述べる.
 抗甲状腺剤治療は,薬剤の投与量の調節により不可逆的な機能低下を招かず,入院の必要もなく手軽に治療できるなどの大きな長所をもつている.しかし,抗甲状腺剤治療では一時的な寛解は得られるが治癒に至る効果が不確実で,永久的な治癒率は大体30〜40%とされている.また,一定期間治療を行なつて投薬を中止した場合,果して治癒するかどうかを予測することが困難である.このように,バセドウ病の内科的治療は抗甲状腺剤の投与中止時期の決定が難かしく,投与さえつづけていれば寛解が得られるため,つい漫然と投薬をつづけることになりがちである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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