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文献詳細

雑誌文献

臨床外科34巻6号

1979年06月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい手術の適応とタイミング—注意したい疾患45

腸重積症

著者: 澤口重徳1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系小児外科

ページ範囲:P.1039 - P.1043

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■なぜ内科治療とのControversyになるか
治療に関する基礎的事項
 腸重積症は腸管の一部が隣接腸管内に嵌入することによつておこる一種の絞扼性イレウスで大多数は生後3月から2歳までに発生する(表1).原因不明のものが大部分で特発性腸重積症とよばれている.腸ポリープ,Meckel憩室,重複腸管,腫瘍,腸壁リンパ組織肥大などの器質的原因を有するものは2%からたかだか8%にすぎず,これら症例の大多数は2歳以上である.腸重積の95%以上は回盲部に発生し,小腸重積症は稀である.
 特発性腸重積症は一般に栄養のよい元気だつた子供に突然発症するが,時に上気道感染などの前駆症状がみられる.嘔吐,腹痛,啼泣,不機嫌,顔面蒼白などで初発し,可動性腫瘤をふれ,発病数時間後には血便が認められる.進行例はX線撮影で水準面形成像を呈する.以上から診断は比較的容易である.発病後12〜24時間までに治療処置が行なわれることが強く望まれ,またこのことは実行可能な筈である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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