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文献詳細

雑誌文献

臨床外科34巻8号

1979年08月発行

特集 術中・術後の出血

臓器切除と出血

胆道

著者: 久次武晴1

所属機関: 1佐賀医科大学外科

ページ範囲:P.1247 - P.1253

文献概要

はじめに
 ここでは肝内胆道系は別項にゆずり肝外胆道系について述べる.肝外胆道系としては胆嚢,左右肝管分岐部,総肝管,総胆管,十二指腸乳頭部が含まれる,手術を安全かつ正確に遂行するためには解剖学に精通する必要がある.とくに胆嚢管や胆嚢動脈は走向異常を示すことが多く不慮の副損傷やそれに伴う大出血を起こすことがある.
 胆嚢動脈の起始,走向については
 ⅰ)右肝動脈より出るものが最も多く
 ⅱ)左肝動脈より出て総胆管の前を通るもの
 ⅲ)左肝動脈より出て総胆管の後を通るもの
 ⅳ)肝動脈の左右分岐部より出て総胆管の前を   通るもの
 ⅴ)固有肝動脈より出て総胆管の前を通るもの
 ⅵ)固有肝動脈より出て総胆管の後を通るもの
 ⅶ)胃十二指腸動脈より出るもの
がある.また胆嚢動脈が主血管より分れて胆嚢壁に達するまでの距離が極めて短いと胆嚢動脈剥離結紮の操作中に主血管の方を損傷することがある.
 胆嚢管の走向異常1)は図1に示すように左右肝管,右副肝管ならびに総胆管との位置関係でさまざまであり,これらと胆嚢動脈の走向との組合せを考えておく必要がある.
 出血も手術操作中の腹腔内へのものと,胆道内出血との二つの観点より慎重に考慮すべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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