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文献詳細

雑誌文献

臨床外科34巻8号

1979年08月発行

臨床研究

乳癌のEstrogen Receptorと臨床との相関

著者: 青木孝文1 児玉宏1 日笠頼則1 柏原貞夫2 倉本信二2 前谷俊三2 香川嘉宏2 田中英夫2 松末智2 中村義徳2 山辺博彦3 市島国雄3 小橋陽一郎3

所属機関: 1京都大学医学部第2外科 2天理よろづ相談所病院腹部一般外科 3天理よろづ相談所医学研究所病理

ページ範囲:P.1303 - P.1307

文献概要

はじめに
 乳癌に対して,外科的治療,放射線治療,癌化学療法,免疫療法等の他に,ホルモン療法が行なわれている.乳癌に対するホルモン療法には,卵巣・副腎・下垂体摘出術,静脈吻合術,卵巣放射線照射,男・女性ホルモン剤投与による薬物療法等があり,進行乳癌の一部に有効であることが知られている.
 乳癌のホルモン依存性については,エストロゲン,テストステロン,プロラクチン,プロゲステロン,コーチゾール,GH,HPL等の関与が知られている1,2).この内,エストロゲンについては,Jensen3)等が3H-Estr—ogenを用いて臓器特異性を示して以来,エストロゲンレセプター(以下ERと略す)の研究がなされていた.ERには細胞質レセプター(8S)核レセプター(5S)とが存在する.エストロゲンは細胞質レセプターと結合し(ER複合体),温度依存性(25〜37℃)にReceptor Transformationを起こして,核レセプター複合体を形成し,更にクロマチンに結合,RNA合成,蛋白合成が促進される(Two-step interaction theory)とされている4-11)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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