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文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻1号

1980年01月発行

文献概要

臨床研究

ハロセン麻酔下のヒトにおける左心室機能および循環動態とドブタミン

著者: 大竹一栄1 菅井直介1 山村秀夫1

所属機関: 1東京大学医学部麻酔科

ページ範囲:P.93 - P.97

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はじめに
 ドブタミンはショックや各種の低血圧症候群において循環動態を改善する1-4)が,心拍数の変化が少なく不整脈の発生の少ないことも報告されている1,5,6).麻酔中には,出血,迷走神経を介しての反射,大静脈の圧迫による静脈還流の減少などによる低血圧はしばしばみられるが,麻酔薬による心筋抑制,末梢血管の拡張あるいは心血管系の神経反射機能の抑制も麻酔中に起こる低血圧の重要な因子である7).このような麻酔中のヒトにおける低血圧に対するドブタミンの有用性とその作用のメカニズムを検討するために,ハロセンによつて起こる軽度の血圧低下8)に際して,比較的少量のドブタミンを投与し,その時の左心室の心筋収縮性と循環動態とについてnon—invasiveな方法9,10)で検討を行なつた.
 また,ハロセン麻酔中にはアドレナリンにより不整脈が起こりやすい7)が,ドブタミン投与でも不整脈が発生するかどうかも検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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